【医師監修】妊娠後期(妊娠8ヶ月・9ヶ月・10ヶ月)
赤ちゃんに会える日が迫ってくる妊娠後期。胎動がピークを迎えやがて落ち着き、赤ちゃんは外の世界に出る準備を始めています。この頃のママの体はどうなっているか、ご説明していきます。
監修医師
笠井靖代先生
日本赤十字社医療センター
第二産婦人科部長
三井記念病院産婦人科、東大病院の研修医を経て日立総合病院産婦人科に勤務。その後、東京大学大学院医学系研究科に入学し生殖発達加齢医学を専攻。同研究科を修了した後、米国タフツ大学New England Medical Centerに留学。帰国後は日本赤十字社医療センター産婦人科に勤務し現在にいたる。専門は出生前相談と更年期。専門医としてだけでなく、自ら40歳で出産した経験から、多くの妊婦さんに妊娠・出産への不安や悩みに応えている。
妊娠後期っていつのこと?
■妊娠28週以降(妊娠8ヶ月以降)を指します
妊娠28週目から妊娠後期に入ります。後期の中でも特に、妊娠37週0日から妊娠41週6日までを「正期産」と呼び、この時期の赤ちゃんは外の世界で十分に適応できるほどに成長しています。
■おなかが一層大きく重たくなります
妊娠後期に入りたての、8ヶ月頃は赤ちゃんの動きが最も活発になる時期。おなかも大きく重くなるため、ママは寝苦しさを感じることもあります。抱き枕やクッションを上手に使い、できるだけ楽に安定した横向きの姿勢をとれるように工夫しましょう。
■動きづらさや胃や膀胱の圧迫を感じます
9ヶ月になるとおなかはますます大きくなり、ママが動くのもつらくなってきます。重心のバランスが取りにくくなっているので、慌てずゆっくり動くことを意識しましょう。また、この頃の子宮は、肋骨のあたりまでせりあがっているため胃の圧迫感、もたれ、むかつきなども起こります。少量に分けて、回数多く食べるなどの工夫をしながら乗り切りましょう。また、膀胱も圧迫されるため、頻尿や尿漏れに悩まされることも。こまめにトイレに行く、尿漏れパッドを活用するなどしてケアしましょう。
10ヶ月に入ると、赤ちゃんは頭を下げ骨盤のほうへぐっと入っていきます。赤ちゃんの位置が下がるぶん、ママは胃や肺への圧迫感が弱くなります。赤ちゃんは子宮の大きさいっぱいまで大きく成長していますので、ママが感じる胎動も少なくなってきます。
■入院・出産準備をはじめましょう
妊娠後期に入ったら、入院、出産準備を始めましょう。仕事をしているママは出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週前)から産休に入ります。仕事の引継ぎの準備も忘れずに。