【助産師監修】【母親学級・両親学級特集】 両親学級って何?母親学級やプレママ学級とは何が違う?
妊娠がわかって嬉しい反面、これから私の体どうなるの?出産のときは?と不安や疑問もわいてきます。そんな妊婦さんの不安な気持ちに応えるのが母親学級、両親学級です。参加してみたいけどいったい何をするの? 絶対に参加しなくてはいけないの? 実際に参加する前、申し込みをする前に少し予習をしておきましょう。
監修医師
浅井貴子先生
フリー助産師
赤ちゃん訪問指導歴約30年のキャリアを持つフリー助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、育児のアドバイスや母乳育児指導を実施。赤ちゃんのボディケアを始め、ベビーマッサージやマタニティエクササイズのインストラクターを始め、助産師としての知識を活かした産後の会陰ケア、おっぱいケア、ママのためのスキンケア、産後のメンタルケアなど、妊婦さんや産後ママ向けのセミナー講師を多数務める。
両親学級、母親学級、プレママセミナーいろいろあるけど…何が違う?
呼び方が違うのは講座を受ける対象者と主催者の違いです
ママ、パパになる準備として自治体や病院、産院が主催する、母親学級や両親学級。 それぞれの講座の呼び方が違うのは「対象となる人が違うため」です。
大きく、母親学級は妊婦さん向け、両親学級は妊婦さんとパパ向けとなっていて、母親学級では妊娠中の過ごし方や、食生活や栄養の指導、出産時の基礎的な知識を学び、座学が中心です。一方両親学級では、パパも一緒にできる体験形式の指導がメイン。妊婦体験を通して妊娠中の女性の体について学んだり、赤ちゃんの人形を使って沐浴指導、おむつ替え、ミルクの作り方などを学んでいきます。
〇〇セミナーや〇〇レッスンなど、いろいろな呼び方があるのはなぜ?
両親学級、母親学級は自治体、病院、産院などが主催となっていることが多いのですが、このほかにも企業やショップなどが主催するセミナーなどもあります。これらはプレママセミナー、マタニティセミナーなどと独自のネーミングで開催されていることが多く、さまざまな呼び方があるのはこのためです。
出産に向けての基礎知識を学ぶ場であることは同じですが、企業主催のセミナーは会陰マッサージや乳頭ケア、妊娠線や産後の肌たるみ対策などのスキン・ボディケア、出産時の呼吸の整え方から出産準備に必要なアイテム…など、より焦点やテーマを絞った講座が展開されることが多く、その内容も実に多彩です。なお、これらのセミナーやレッスンは妊婦さんが対象か、パパも参加できるかなど内容によって異なりますので、対象者もしっかり確認して参加申し込みをしましょう。
いつから参加する? 必ず受講しなくてはいけないの?
母親学級は妊娠中期から約4回程度のカリキュラムで組まれているのが一般的です。必ず参加しなくてはいけないというわけではありませんが、しっかりと基礎知識を学ぶことが安心にもつながります。できるだけ参加しましょう。
また母親学級、両親学級は定員があることが多く、直接、または電話や郵便はがきなどで参加の申し込みをする場合が多いようです。方法は主催している自治体や病院、産院などにより異なるのでしっかり確認しましょう。
また、「妊娠5カ月から8カ月の方が対象」「はじめて妊娠した方対象」など、対象者に注意書きがある場合も。自分の妊娠週数に合わせて受講することで、その時期特有のマイナートラブルや気がかり、不安なども相談しやすくなりますので、自分が対象かどうかもしっかりチェックをして参加すると安心です。
呼び方 | 内容 | 主催 |
---|---|---|
母親学級 | 妊婦さん向け。座学式のレクチャーや栄養指導、運動指導など | 主に自治体や病院、産院が主催 |
両親学級 | パートナーと一緒に参加することが多く、妊婦体験や沐浴、おむつ替え、ミルク作りなど体験型の講座がメイン。 | |
プレママセミナーなど独自のネーミングが付いている講座 | ヨガレッスンや出産準備アイテムの選び方など内容は多種多様。受講対象者がセミナー―やレッスンにより異なる場合も。 | 主に企業やショップなどが主催 |
オンラインでの母親学級、両親学級って正直どうなの?
オンライン学級、動画のメリットは?
最近では両親学級、母親学級、プレママ&パパセミナーをオンラインで開催する主催者が増えて来ました。一方、妊婦さんの中には母親学級へリアル参加できないことを心配する声も聞かれます。
座学がメインの母親学級講座なら、オンライン学習でもリアルでも実は内容にはあまり差はありません。コンテンツの違いはありますが配信後に動画がアップされることもあり、あとで見返すことも可能です。繰り返し学習できる、時間を選ばず空いた時間でパパも一緒に学べるなどの点で、オンラインなりのメリットもあるのです。
オンライン学級のデメリットは? 疑問や不安のカバー方法は?
もちろん、オンラインのデメリットもあります。現時点(2020年9月)では、まだ産院や病院主催の開講数が少ないことが挙げられます。また、沐浴やおむつ替えなどのお世話体験、男性向けの妊婦体験などはできないこと、講師に立つ助産師などの専門家に直接質問し、その場で解決!とはいかないこともデメリットと言えるでしょう。
ただ、企業やショップ主催のオンラインセミナー、フリー助産師などによる動画講座も増えていますので、これらを情報源にオンライン講座を上手に活用していきましょう。わからないところや疑問があれば、妊婦健診の機会に医師や助産師に尋ねるのがおすすめです。
この記事のまとめ
幸せなお産を迎えるために
両親学級、母親学級は赤ちゃんを迎えるための準備を学ぶチャンスです。出産までに何が起こって、どんな対処をすればいいのか、また出産のときにどんなことが起こりうるのか、事前にわかっていると安心できます。この機会をぜひパパ、ママ一緒に学ぶ機会として大切に。夫婦で一緒によいお産を迎えられるよう、準備をしていきましょう。
- 構成・文/
- 中島典子
- イラスト/
- タオカミカ